リングにかけろ(作者:車田正美)

今や懐かしのスポコン漫画!
リングにかけろを大解剖!

スポコン漫画の王道!

今や懐かしのスポコンアニメと言えば、こちら今回紹介するリングにかけろを推さずにはいられません。
今でさえテニスの王子様や弱虫ペダル、黒子のバスケ、スラムダンクなどタイムリーなスポコン王道漫画はたくさん存在しますが、この車田正美さんが描く根性入りまくりの熱血ボクシング漫画は、けた外れの硬派な内容で一世を風靡しました。
しかし、物語の硬派さからはかけ離れた漫画におけるアクロバットな描写が、当時の童であった小生を夢中にさせました。
物語の展開は、主に悪者が主人公である高嶺竜児に対して闘いを挑んでくるオーソドックスな展開が繰り広げられますが、高嶺竜児が大人の男性として成長していくにつれて、奇想天外なパンチや必殺ブローなどが飛び交う、とにかくぶっ飛んだ内容になっています。

あらすじ

物語は、主人公高嶺竜児の故郷である山口県から始まります。
幼いころにプロボクサーである父親を亡くした竜児は、厳しくも優しい姉、菊からボクサーになるための訓練を受けますが、生来の優しさとナイーブさからいまいち才能が開花せずにいました。
母親の再婚相手が酒浸りの悪辣な人物であったことから家を飛び出した菊と竜児は、三条家という名門の家に世話になります。
そこから本格的にボクシングに目覚めていき、都大会、チャンピオンカーニバル、影道一族、世界大会、ギリシャ12神との戦いなど、高嶺竜児が世界チャンピオンになるまでの成長過程を、硬派のスポコン路線まっしぐらで描いています。

みどころ

生涯のライバルであり、友であり、愛する・・・、これ以上はネタばれになりますので控えたいと思いますが、そのライバルである剣崎順との世界チャンピオンをめぐるお互いの成長物語をこの漫画の基軸は語っているように思います。
全てが欠けている不遇の主人公高嶺竜児に対して、神童と称され、何不自由なく与えられるものすべてを身に纏っている孤高の天才剣崎順との切磋琢磨がこの物語の中心に添えられています。
主人公の高嶺竜児を取り巻く友人達との群青劇は勿論のこと、各バトルでの必殺パンチや物語の展開が突飛なもので驚きと興奮に包まれます。
特に興味を引いたのは、ストーリーの中盤で影道一族との決戦になりますが、新旧を織り交ぜた大変面白い構成で、作者である車田正美さんの発想の柔軟さを感じることができます。
なぜ、スポコン漫画の王道としてこの漫画を推薦したのか?
それは、いいやつが悪やつをやっつける、その単純さに心を惹かれたからに他なりません。
与えられた状況が不利だからこそ頑張る、愛する人がいるからこそその人のために死力を尽くす、といった単純明快なところがこの漫画の良い所かもしれません。
ここに登場するキャラクターはほとんどすべて何かの葛藤を抱えています。
その逆境に、めげることなく前に進み困難を跳ね返していきます。
少し変わったボクサー漫画かもしれませんが、所々出てくるバトル、戦闘シーンにおけるキャラクター達の血潮は、全てこういった逆境を跳ね返すエッセンスにして昇華しているところが素晴らしく感じます。
最後に剣崎との一戦を迎えますが、どちらが栄光を掴むのか?
主人公を取り巻く友人達との行く末は?
全部で25巻読み切りになりますが、最後まで一気に読んでしまいたくなるような漫画です。

まとめ

作者である車田正美さんの情熱が一気に注ぎ込まれた漫画で、文句なしに面白いです。
車田さんの独特な描写や表現がふんだんに使われ、その世界観に引き込まれます。
車田正美さんと言えば、聖闘士星矢シリーズや風魔の小次郎など、知る人ぞ知る硬派漫画の重鎮と言ってもいいかもしれません。
ああ、なるほど最近の読者であれば聖闘士星矢や風魔の小次郎であれば認知の幅が広がるかもしれませんね。
コンプライアンスや世の中の縛りが曖昧で厳しくなる中で、ストレートに正義だとか男気を声高に叫べる漫画は少ないように感じます。生きていて何が大事で何がそうでないのかがいまいちわからないという読者諸君に是非とも読んでもらいたい漫画の一つです。
物語の展開は派手な格闘シーンばかりに目が移りそうですが、所々、人生においてためになるような格言を残してくれるのも、ただの根性物語に終わらせない筆者の優しさが感じられます。
ここまで書いていくと、男気溢れる男の読むべき漫画だと思われるかもしれませんが、逆に女性目線からも男性とはこうありたいと願っている生き物なんだと理解するのにはうってつけの漫画だと言えます。
男を追求する漫画は女を磨く漫画とも言える側面があるのです。
残念なことにこれだけの人気連載にも拘わらず、僅か25巻で終了してしまいました。
願わくば、25巻である最終巻後のスピンオフ作品も、どこかでお目にかかれたらと願って止みません。
このリングにかけろが醸し出す漫画愛をいつまでも感じ続けていたいと思う読者が日本のどこかに多数存在すると信じるからです。

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